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「IFS(内的家族システム療法):実践編」~「内的対話」と「パーツ」~



先日の「内的家族システム療法(IFS)について」の記事が、


とてもたくさんの方に読んでいただけたようで驚きました。


IFSがもつ力や魅力を、私自身もあらためて感じています。


そこで今回は、前回の理論編から一歩進んで、

より実践に近い部分――「内的対話」と「パーツ」について、

わかりやすくお伝えできればと思います。



🫧 はじめに


前回の記事では、IFSの前提として、


人の心の中にはたくさんの “パーツ” が存在し、どのパーツもその人を守ろうとする意図をもっている


ということをお伝えしました。


IFSは、どんな考えも感情も行動も「悪者」にせず、そのパーツが何を感じ、何を守ろうとしてきたのかを丁寧に理解していく心理療法です。


詳しくは前回の「IFS(内的家族システム療法)について」の記事をご覧ください。



今回は、実践編として


・IFSが言う“パーツ”とは何か

・“内的対話”はどのように行うものなのか


この2つを整理しながら進めていきます。



🫧 IFSにおける「パーツ」とは?


IFSでは、人の内側で働く「パーツ」を大きく3つに分類しています。


🛡️管理者(マネージャー)


“何かが起きる前” に先回りして守ろうとするパーツ


過去の痛みを再び味わわないよう、段取りを整えたり、感情を抑えたり、頑張り続けたりします。


失敗しないように気を付けたり、感情に圧倒されないようにコントロールしたりするパーツです。


モットーは 「あんな思いは二度とごめんだ」


🔥消防士(ファイヤーファイター)


何かが起きた“あと” に最速で助けようとして出てくるパーツ


強い不安や痛みを瞬時に消すため、衝動的な行動や感情を伴うこともあります。自傷行為、過食・ODなどの行動や解離などが代表例とされます。


モットーは 「いかなる代償を払っても痛みを消す」


💧エグザイル(Exile)


傷ついた幼いパーツ


「恥」「恐怖」「無力感」「価値がない感覚」など、

かつて抱えてしまった痛みを静かに抱え続けている存在です。いわゆる「原体験」にあたるパーツです。


モットーは 「私を忘れないで」



管理者と消防士はまとめて「防衛パーツ」と呼ばれ、エグザイルを守るために頑張り続けています。



🫧 パーツには必ず“善意”がある


IFSがとても賢明で優しい理由はここにあります。

どのパーツも、「あなたを困らせたい」「苦しめたい」と動いているわけではありません。


ただ、“その時にできる最善の方法で、あなたを守ろうと必死だった”というだけなのです。


ここを理解できると、これまで「嫌だ」と思っていた反応にも、少しだけやさしさが向けられるようになります。



🫧「内的対話」と「インナーチャイルド」とIFS


「内的対話」や「インナーチャイルド」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。


この2つの言葉はIFSの用語ではありませんが、IFSも似た概念をもっていますので、簡単にまとめます。



🤍内的対話

自分の心の中で、

「いま何を感じている?」「本当はどうしたい?」とそっと問いかけ、

返ってくる声を静かに受け取るやり取りのことです。


静かな自問自答とも言えますし、心の内側へ耳を澄ませる時間とも言えます。


🤍インナーチャイルド

心の中に残っている「幼い自分」「昔の自分」が抱えた気持ちを指し、

過去の痛みや願いが現在の反応に影響する部分を意味します。



IFSも似た概念を扱います。IFSでは「インナーチャイルド」は「パーツ」


そして、内的対話にあたるプロセスを、

IFSは「インサイト」(insight)と呼びます。



🫧 インサイトとは?


IFSのセッションでは、

浮かんできたパーツと“今の自分”が関係性を作っていきます


「今の自分が、パーツの話を静かに聴けている状態」これがインサイトです。


IFSのインサイトは、

パーツに入り込むものでもなく、無理にパーツを探しにいく作業でもありません。


ただ、その日に自然に浮かんできたパーツと対話します。


そして、パーツに気づいて声を聴く「今の自分」を、IFSではセルフと呼んでいます。


私なりに「セルフ」を説明すると、


「思いやり・好奇心・つながり」の気持ちをもっている状態です。


「思いやり・好奇心・つながり の気持ちをもってパーツに気づいていく」――


そんな静かなプロセスです。


このセルフの状態でパーツに気づいていくことが、IFSにおける「インサイト」の中心になります。


IFSでは、少しずつ、ご自身のペースでインサイトを行えるようになることを大切にしています。



🫧無理なく自分でできるところ

 

IFSの様々な魅力の中で、私がもっとも大切だと思うポイントは


「パーツには善意がある」


というところだと思っています。

 

これは、ご自分が嫌だと思っていたり、体質だと思っている反応にこそ、そっと向けてみて欲しい関心です。

 

そしてこれは、ご自身でも少しずつ取り組むことができます。

 

 

🫧大切なところ


ご自身がパーツの声を聞こうとするとき、大切なポイントがあります。


1つは最初に触れたように、探したり入り込んだりするものではないということ。


自然に気になった反応や思いに関心を向けてみてください。



2つ目は、内側の声に向き合うとき、

「どうしてそんなことするの?」「何が意図なの?」と責めるように問い詰める聞き方をしていないか、

そこだけ気にしてあげてください。


問い詰めるように接しられたら、委縮してしまいますものね。


 

代わりに、


「もしかしたら、私を助けようとしてくれているのかもしれない」


と、そっと信じてみてください。

 

この「信じてみる」ということも、インサイトが可能になる大切なプロセスだと感じています。

 


🫧終わりに


もし、「そんなの信じられない」「善意があるなんて思えない」という声が聞こえたら、ぜひ、そのご自身の思いも歓迎してください。

 

それもまた、ご自身の大切なパーツの1つです。



以上、今回は「内的対話」「インサイト」「パーツ」の基本を、まとめてみました。



次回は、

これらのパーツが実際のカウンセリングでどのように現れ、どう扱っていくのかもう少し深くご紹介できればと思います🫧




日に日に陽が短くなり、冬の訪れを感じますね。

今日もお体に優しくお過ごしください☕🍂







 
 
 

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