第2回 ~ 機能不全家庭で育つとき、心の中で起きていること~
- clinical-psycholog2
- 3 日前
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更新日:8 時間前
前回から始まった「我慢に気づく」、2回目の今回は、幼少期から振り返っていくことで、ご自身の「我慢」を少し深く理解していけたらと思います。
感情の発達は、本来、右脳で「感じる」力から始まり、少しずつ左脳の「言葉」や「理解」へとつながっていきます。
けれども、家庭がうまく機能していないと、子どもは親の期待や気分に合わせるために、自分の感情を押し込め、早く「大人のように」振る舞うことを求められることがあります。
そのとき、感情の成長は途中で止まり、「感じるよりも我慢する」ことが当たり前になっていきます。
この「我慢」は、その子にとって、生き延びるための自然で健気な知恵です。
けれどもそのまま成長すると、「我慢するのが普通」「人に合わせるのが当然」と感じやすくなり、気づかないうちに自分の気持ちを後回しにしてしまうようになります。
親の機嫌が不安定だったり、怒りや悲しみが日常にあったりすると、子どもは「自分が我慢して空気を読む」ことで家庭を落ち着かせようとします。
この「我慢」は、愛されるための方法でもあり、家庭を守るための手段でもあります。
けれども長く続くうちに、「どうせ言っても変わらない」「分かってもらえない」という感覚が心に残り、自分の本当の気持ちがわからなくなってしまうこともあります。
かつて自分を守るために身につけた「我慢」が、いつしか“自分を閉じ込める殻”のようになっていく――
その背景には、小さな頃に感じた寂しさや不安、そして「本当の自分を出したら愛されないかもしれない」という痛みを抱えていることがとても多いです。
🍃大切なところ
機能不全な家庭では、子どもが感情を抑えて早く大人のように振る舞うようになる。
「我慢」はそのときの生き延びるための知恵。ただ、長く続くと自分の感情を感じにくくなる。
結果として、ご自身で自覚されている以上に我慢していることが多く、「わかってもらえない」という無力感にもつながりやすい。
「全9回」と前回書きましたが、1回が短かったので、1回分を長くして「全6回」くらいで連載していこうと思います。
次回は、「自己主張が難しくなる理由と爆発を招くメカニズム」についてお話しします。

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