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【第4回】繰り返す理由 ― 「考え続ける」クセと過去の対処法


前回まで、人の不機嫌さにふれることの影響力について整理してきました。


4回目の今回は、さらに一歩深めて「どうしよう」「何がいけなかったんだろう」と、


頭の中でグルグルと考え続けてしまう場合について、理解をしていきたいと思います。


それは単なる“心配性”や“気にしすぎ”ではなく、

過去の経験から身についた生き延びるためのクセであることが多いのです。



「考え続ける」クセはどこから来たのか


たとえば、子どもの頃に身近な大人がいつも不機嫌だったとします。


その人が何に怒るのかが日によって違っていたら、子どもは常に周囲の空気を読み、「次は何が起こるのか」「怒られないようにするには」と考え続けざるを得ません。


これは、子どもにとってはとても合理的な対処でした。


相手の気分を読み取ることが、自分を守る方法だったのです。


でも、大人になって環境が変わったあとも、その「考え続ける」クセだけが残ってしまうことがあります。


たとえば、上司のちょっとした沈黙や友人のそっけない態度に対して、過剰に反応し、心の中でシミュレーションを続けてしまう……。そんな経験はないでしょうか。



当時は必要だった対処が、今は苦しさに


子どもの頃に身につけたこの対処は、当時は生き延びるために必要なものでした。


けれど、今はもうその環境から離れているのに、クセだけが強く残っている——

これが、多くの人が苦しんでしまう大きな理由のひとつです。


クセは悪いものではありません。ただ、今の自分の反応というよりは、広い意味でのトラウマ反応であることが実はとても多いように感じています。


「トラウマ反応であり、今の事実ということではないかもしれない」と気づくことだけでも、癒しの効果があるといわれています。


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🌿 まとめ

・「考え続ける」クセは、過去の環境で身についた対処法

・当時は必要だったけれど、今の環境では苦しさにつながることがある

・「今の自分の本意」というより「トラウマ反応」という自動的な適応行動

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次回は、「ちゃんと他人のせいにする」重要性について整理します。




 
 
 

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