最終回 ~我慢しすぎてしまうときに~
- clinical-psycholog2
- 2025年11月12日
- 読了時間: 4分
前回まで振り返りましたように、「我慢」というのは、生きていく上である程度は必要な力です。
決して悪いものでも、なくすべきものでもありません。
ただ、やはり、「我慢」が多く強いことはとてもストレスになります。
IFSでは、「機能不全家庭では、恥・強い恐怖・圧倒される無力感、無価値感といったトラウマを生じさせる状態を、長期に強度に体験する」と指摘しています。
これらには、必ず「我慢」が伴っています。
そこで、ご自身を癒す際には、
「自分が我慢すればいい」「もっと合わせられればいいのに」と思ったとき、もうすでに「我慢する力は十分に身についている」と考えてみましょう。
「自分にはもう我慢のスキルがある」と理解するだけで、必要以上に我慢しようとする気持ちを和らげることができます。
「我慢することが当たり前」で長年過ごしてきたご自身が「もっと我慢しないと」と考えるということは、「もう限界」というサインでもあるということです。
爆発した後に、丁寧に振り返る
我慢を重ねすぎると、ある日「もう無理!」と爆発してしまうことがあります。
そのあと、「もう爆発したくない」と思う方も多いでしょう。
けれど、「止めたい」と思うこと自体が、本当は「そうせずにすむならそうしたい」という気持ちの表れです。つまり、爆発してしまうのは今のあなたができる精一杯の“気持ちの出し方”なのです。
ですから、まずは「爆発しないように」と抑えるよりも、「爆発してしまった前に何があったのか」を、爆発の直前だけでなく、少し月日を遡って、爆発した後にゆっくり振り返ってみましょう。
多くの場合、爆発のきっかけはその瞬間の出来事かもしれませんが、「爆発」に至った理由は日々の少しずつ積み重なってきた我慢です。
だからこそ、少し「その日」「1週間前から」「ここ3か月はどうだったかな?」と、ご自身の様子をやらわかく振り返ってみたいと思います。
「あのとき何を感じていたんだろう」と過去を丁寧に見つめることで、心が整理され、ストレスが消化されることがあります。
爆発してしまったことを責めるのではなく、「これは自分を知るチャンスなんだ」と思ってみてください。
そうして振り返ることを重ねていくうちに、自然と爆発の回数は減っていく傾向があると感じます。
「我慢」の自動反応に気づく
私たちは、「とりあえず我慢する」という反応を無意識のうちにしてしまうことがあります。
それは過去の経験の中で、「我慢するしかない」と学んできた結果の“自動反応”です。
まずは、「あ、今我慢しているかもしれない」と気づくだけで治療的な効果があります。その小さな気づきが、ご自身をを少しずつ楽にしてくれます。
行動のクセに気づく
「我慢」だけでなく、「相手に従う」「自分を後回しにする」といった行動も、長年の習慣で強く身についていることがあります。
無意識に反応してしまうものだからこそ、最初は「そうしている自分」に気づくことが第一歩です。
気づけるようになると、「今回は違う選択をしてみようかな」と、少しずつ変化を起こせるようになります。
改めて「選ぶ」
子どもの頃から身についた「我慢」は、多くの場合、自分で選んだというより“そうするしかなかった”ものです。
けれども、大人になった今は違います。「我慢してもいい」「我慢しないでもいい」「間を取って調整してもいい」――その自由は、あなたの手の中にあります。
最初は「我慢した後で、自分は本当はどうしたかったのかな」と振り返るだけで十分です。
大切なのは、反射的に我慢するのではなく、自分の意思で我慢を選ぶこと。
つまり、「自分の行動を自分で選べる」という感覚――自己統制感を取り戻していくことです。
「自分の意志で選ぶ」ためにもっとも必要な段階は「気づく」ことだと考えています。
「ああ、私は自分で思っている以上に我慢してたんだな」「心が狭いんじゃなくて、ずいぶん合わせてきたじゃないか」とご自身を適切に理解していけると、「選択」も自然に変化が起きるということを、クライエントさん方から学んでいます。
🌿大切なところ
我慢のスキルはすでに十分にある もう「我慢できない自分」ではなく、「必要以上に我慢しなくていい自分」へ。
爆発は自分を知るチャンス 責めるのではなく、何が積み重なっていたのかを振り返ることで、心が整理されていく。
"気づく"ことは行動の選択を自然にかえる 我慢する・しないを自分で選ぶことが、心の自由と癒しへの道になります。
1回を以前より長くして、1つのテーマの連載回数は少なくしていこうと思っています。
読みにくかったり短すぎたり長すぎたりするかもしれませんが、やりながら工夫していきますので、お付き合いいただけますとありがたいです。
次回は、「嫌なことをずっと考えてしまう」というグルグル思考について連載していこうと思っています。



コメント