「嫌なことを考え続けてしまう理由」前編:反芻の「背景」や「原因」
- clinical-psycholog2
- 2025年11月13日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年11月17日
「気にしないようにしよう」と思っても、つい頭の中で何度も同じことを思い返してしまう――そんな自分を責めてしまうこと、ありませんか?
今回は「どうすれば考えないで済むか」ではなく、
「なぜ考えてしまうのか」に焦点を当て、「反芻思考」に対する受け止め方を整理していきます。
理解が深まることで、自分へのやさしさを少し取り戻せるかもしれません。
🫧反芻の「背景」や「原因」
「苦しい思考」のほとんどは、子ども時代に形作られます。そこにはやはり、親との関係が深く関わっていることがほとんどです。
子どもにとって親は圧倒的に上の立場にあり、まさに命を握る存在です。
もし子どもの頃の家庭が機能不全で、親の機嫌によって自分の安全が左右されるような環境だった場合、
「親の顔色を伺う」ことが生き延びるために必要になります。
それが習慣化し、「不機嫌さを察して機嫌を取る」という対処法が磨かれ、
いつの間にか学校や職場などの外の世界でも同じようにしてしまう――これを心理学では「般化」と呼びます。
🫧「考え続ける」ことの習慣化
大人の不機嫌さや怒りを日常的に受けていた子どもは、「何が地雷になるかわからない」中で暮らすことになります。
そのため、常に「どうしたら怒られないだろう」と考え続けざるを得ません。
加えて、子どもなど弱い立場では、絶対的な他者に「嫌われる」ことは「いつ何時、生活が脅かされるか」という非常に強い危機的状況になります。そのため、とにかく「好かれないと」と心身は反応します。
この「考える」ことが、生きるための方法として身についていくのです。
大人になっても、人の不機嫌や少しの注意に過敏に反応してしまうのは、
かつての「どうしたら怒られないか」という答えのないテーマを、今も考え続けているからかもしれません。
🫧「挽回しなくては」
親や教師、先輩などのキーパーソンに「嫌われたら終わり」という構造の中で育つと、
「嫌われた自分には存在価値がない」「挽回しなくては」という思考が強化されていきます。
その「挽回しよう」とする意識は努力家の証でもありますが、同時に「反芻」という形で思考を深めてしまうこともあります。
ここで気を付けたいことは「挽回しよう」「他者の期待に答えなければ」と考えること自体が悪いわけではないということは、お伝えしたいポイントです。
その「自責的思考」や「頑張り」をしていないと自分が許せなかったり、楽しくないのに我慢してやってしまっていたり、
そういった「反応」にただ気づいてあげることが何よりも大切だと思っています。
こういった場合に必要なのは、「修正」ではなく「労力に対する適切な気づきと労い」です。
また、「不機嫌な人の機嫌を取ってしまう」行動も、実は「穏やかでいてほしい」という優しさの表れなのです。
🫧「反芻思考」の程度はストレスのサイン
そして、こういった「反芻思考」がいつも以上に強く現れたら、それはストレスの重要なサインです。
その思考そのものをさらに責めることなく、「いつもの苦しい感じが最近ひどいな…」と思ったら、今、ご自身はかなりストレスフルになっている可能性が高いと、ご自身の状態を測る目安にしてみてください。
🌿大切なところ
1.「反芻」は弱さではなく、生きるために身につけた大切な力。
2.根っこは、人の思いを大切にし、原因を自分に置こうとする適応力
3.いつもより「反芻思考」が強くなっていたら、それはキャパシティーオーバーのサイン
次回は、「反芻してしまう人の特性と対処法」について書きます。
そのやさしさや感受性が、どのように心の反応として表れているのかを見つめていきます。
本当に寒くなってまいりましたね。気圧も安定しない日々が続いていますので、いつも以上に心身に優しくお過ごしください🛁🌙



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